(1) 旧日本兵の写真と旗
2010年サイパン研修で出会ったMarven Avilla氏は、かつてサイパン戦を戦った元アメリカ海兵隊員で、戦場で入手した日本兵の写真と日の丸を今も所有しています。実は太平洋戦争中、アメリカ兵は倒した日本兵が身に付けていた写真・日の丸・軍刀などを「戦利品」として母国に持ち帰る習慣がありました。近年80歳を過ぎた彼らはそれらを日本兵の遺族に返したいと希望しており、Marvenさんもその1人でした。
Marvenさんの話しを聞いたゼミ5期生は、こうした遺品を関係者に返還する手助けが出来たらと、帰国後動いてみました。日大国際関係学部教授陣は声をそろえて「地元新聞やマスコミの協力を仰ぐのが一番」とアドバイスしてくれましたが、「若気の至り」で、まずは自分たちで出来るところまでやってみようと「やみくもに発車」。恵比寿にある防衛研究所や靖国神社にどのようにしたらよいか尋ねたり、実際に遊就館に出向いて写真に写っている人の名前が奉られてないか探してみたり、名古屋出身のゼミ生が愛知県県庁に問い合わせ戦前の地図や住民登録から心当たりを探せないものか聞いてみようとしたりしました。しかし成果はゼロ。
2011年サイパンに戻った5期生の2人は、旧海軍司令部跡を守るヨネコさんからこれら遺品の関係者が見つかったことを聞きました。1枚の写真の裏に書かれてる「澄川隊」が岐阜の部隊であったことを手がかりに、毎年6月サイパンに慰霊にやってくる愛知県マリアナ献水会の会長さんにヨネコさんが問い合わせたら中日新聞を紹介してもらえたそうで、同新聞がこれらの写真や旗を掲載したところ「写真の人物は僕の兄です」「旗に書かれた名前の人物を知っています」と名乗り出る人びとがあらわれたそうです。2011年10月17日、彼らはサイパンにやってきて、Marvenさんに会ったそうです。
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ニュースをゼミ生に伝えるヨネコさん |
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努力は評価します、
とヨネコさんに褒められ喜ぶ5期生 |
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