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2012年度富士山麓アカデミック&サイエンスフェアにて、5期生有志は過去5年間にわたるゼミのサイパン研修の集大成をポスターにまとめて発表し、優秀賞を受賞しました。毎夏サイパンに向かい、植民地の遺産、太平洋戦争の傷跡と記憶、戦後のアメリカ化の問題に取り組んで来てたどり着いたメッセージとは『日本とサイパンの縁を大切に考えていこう』と言うことでした。5期生からの提言を紹介します。
→『懐かしい日本統治−サイパンからの声』
Voices from Saipan: How Japan Can Revitalize the Island
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2013年度富士山麓アカデミック&サイエンスフェアーには、6期生瀬戸菜摘が昨年度富桜祭とフィールドワーク発表会で披露した『視線学のすすめ』をポスターにまとめ発表しました。昨年に劣らない高品質の作品です。アメリカからの留学生に紹介したところ大変好評でした。
『「視線学」のすすめ:留学生とのキャンパス交流を考える』
How to Overcome Gaijin
Stare and Build Strong Friendships
(3)
2014年度には、8期生有志が「ハイブリッド日本人」という共同リサーチを行い、その結果をポスターにまとめ発表しました。たまたまこの年は、アメリカから二人のゲストを迎えることが出来、『日本人であることに「人種」のカテゴリーはどれくらい重要なのだろうか』ということを考える機会に恵まれました。7月には、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン大学院で博士論文を執筆中の新居左由吏氏を招いて、昭和30−40年代の少女マンガに見る「混血児」の描写について講義を聞きました。そして10月には、南カリフォルニア大学のダンカン・ウィリアムズ教授を招いて、『HAPA Japan(ハーフである日本人)』論について学びました。さらにISEPのアメリカ人学生とも、アメリカ社会でアジア系であること、日本社会で白人として生活することについて意見交換しました。こうした非常に恵まれた環境の中で、ゼミ生が取り組むことに決めたのが「完全な」日本人とはやや異なる「ハイブリッドな」日本人に対する意識調査でした。300人近くの学生を対象にアンケート調査を行い、新居さん、ウィリアムズ先生から学んだ問題意識を活用しつつ、彼らの意識を分析し、これからの日本が人種・文化的に多様な日本人を受け入れる用意が出来ているかどうかを考えました。
同作品は<社会・経済・国際・文化・教育>部門の優秀賞、および<高校生が選ぶポスター発表大賞>全部門総合最優秀賞を獲得しました。
『ハイブリッド日本人論:私たちが考える国民国家の限界と未来』
Hybrid Japan: The Limits and Potential
of Our Nation-State
→原稿
→ポスター
→アルバム
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2015年度9期生は、日本の植民地帝国に関する常識的なイメージを覆して、自分たちの世代が考えたこともないような側面にスポットライトを当て、昨年に続き<社会・経済・国際・文化・教育>部門で優秀賞を受賞しました。ゼミ生6名がそれぞれ、満州・サイパン・朝鮮・台湾などを担当。当時の記録写真を探し出し、視覚的にインパクトが強い作品を作りました。後日アメリカのトリニティ・カレッジの先生が、このポスタ―に関心を示してくれました。彼の授業で有効活用されているとうれしいです。
『私たちが見る大日本植民地帝国‐70年のときを超えて‐』
Japan’s Colonial Empire Re-Examined 70 Years after Its Demise
→原稿
→ポスター
→賞状
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