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ハファディ サイパン アジア環太平洋交流の新しいかたち
このページでは、2007年から小代ゼミが行っているサイパン(北マリアナ諸島)研修の成果、研究発表などを紹介します。 

サイパンは、戦前日本の植民地として栄えた地であり、また太平洋戦争では住民を巻き込む日米地上戦を体験した地でもあります。その歴史的意義の重さを隠すかのように、戦後は手頃なマリン・リゾートとして発展しましたが、最近ではその観光人気も日本では低迷しています。しかし一度島を訪れて、観光客のいかないところを見て回ると、島の魅力の虜になってしまいます。現在、サイパンも含めた北マリアナ諸島連邦の住民は、アメリカ国籍を保有しており、合衆国憲法の「保護」を受ける地位にあります。日米関係を考える上でも、サイパンは不思議なカギを握っているのです。ここでは、ゼミ生と共に行ってきた現地フィールド・ワーク、サイパンの人々へのインタビュー、日本に戻ってからの研究などの成果などをご紹介し、サイパン・北マリアナ諸島連邦を知ることがなぜ大切か考えていきます。
I. ゼミ サイパン研修報告
II. サイパンに関するゼミ研究

III. 現地聞き取り調査
IV. 小代有希子の研究室から
V. サイパン戦旧日本軍人の遺留品

I.ゼミ サイパン研修報告

(1) 2007年

■スケジュール表 →PDFを開く

2007年9月11日から15日まで、ゼミ生13人と一緒に 初のゼミ海外研修をサイパンにて行いました。 滞在した →Aquarius Beach Tower は、白い砂のビーチフロントにたつコンドミニアムタイプのホテル。そして私たちの希望をかなえる形で5日間のサイパン研修の日程を作り、実施してくださったのが、→Pacific Eagle Enterprises 社 の松本ウィリー、綾子夫妻です。 

私たちの活動の様子が地元のメデイアで紹介されました。

→2007年9月14日付 Daily Marianas Variety

北マリアナ諸島政府下院議員 →Cinta Kaipat 氏のブログ (2007年9月12日と15日のエントリーへ)

→Pacific Eagle Enterprises→松本綾子さんのブログ (2007年9月13日のエントリーへ)

日本家屋前にて 和風お弁当
敬老センター訪問 バンザイ・クリフにて日本の方角を見る

ゼミ生雑感

(2) 2008年

■スケジュール表 →PDFを開く

9月8日から12日まで、ゼミ3期生8名とサイパン5日間の研修に行ってきました。今年も、Pacific Eagle Enterprises の 松本ウィリー、綾子ご夫妻にお世話していただきました。 今回の活動の様子を紹介します。

→地元新聞『サイパン・トリビューン』に載った 私たちのビーチ清掃の様子。

北マリアナ諸島の環境保護運動家→Angelo Villagomez 氏のブログ (2008年9月15日のエントリー)。

→Pacific Eagle Enterprisesの松本綾子さん のブログ。(2008年9月16日のエントリー)

日本家屋を守る
カルメンおばあちゃん。
八幡神社を守る
ゲレーロおじいちゃん。
マナムコ・センターで歓迎してくれる
おばあちゃんたち
旧海軍司令部跡を守る
ヨネコさん。

(3) 2009年

■スケジュール表 →国際事情研修 →ゼミ研修

3年目を迎えたサイパン研修。今年は8月末に交流学科1年生の「国際事情」の受講生16名と、サイパン・テニアンに8日間滞在し、その1週間後にはゼミ4期生と共にサイパンに戻り さらに6日間を過ごしました。今回は、より詳細にサイパン戦の戦跡をたどることと、日本統治時代の日本人とチャモロ人の関係を掘り起こすことを、主な目的にしました。
今年初めて訪れたのは、泉神社跡・南雲中将自害の地・ガラパン旧日本人街・カラベラ洞窟・マウント・カーメル教会・サイパン植物園・ハーマンズ・ベーカリー・Tun Goru Snack Bar (チャモロ料理専門店)、そしてマニャガハ島、などなど。また1年生対象の「国際事情」では、サイパンの隣 テニアン島を訪問しました。

今回特筆すべきは、名コーディネーター松本ウィリーさんの片腕としてチャモロ人のピート・ゲレーロ氏が同行してくれたことです。神社跡や戦跡を訪れる際、ジャングルの中を先頭に立って歩いて私たちを安全に導いてくれ、やしの実の食べ方、ベテル・ナッツの噛み方、チャモロ族の信仰などについて教えてくれました。

今年も例年のように、ヨネコさん(海軍司令部)、ゲレーロさん(八幡神社)、マナムコ敬老センター、マリアナ・カレッジなどにお邪魔しましたが、会えない人がいました。旧南興社宅だった日本住宅に住むカルメンさんです。2009年8月永眠されたそうです。毎年ゼミ生を歓迎してくれて、本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りします。

エスコスおばあちゃん ピート・ゲレーロさん
パトリシア(パトちゃん)
ウィリー松本さん

ゼミ生雑感
→青木麻衣 「祈るということ」 (PDF)
→加地弘明 「戦車に搭乗する」 (PDF)
→寶川里奈 「エスコスさんの思い出」 (PDF)
→手嶋雄紀 「バンザイ・クリフにて」 (PDF)

(4) 2010年

■スケジュール表 →PDFを開く

今年度研修参加のゼミ生の大半は、昨年度の「国際事情」研修でサイパンを訪問したリピーター。 それゆえより深くサイパンを観察して考える機会をねらいました。 テニアン市長へのインタビュー、日本統治時代を知るサイパンの大富豪と、サイパン戦を戦った元アメリカ海兵隊の兵士のお話しに聞き入り、エスコスおばあちゃんのレストランで、チャモロ料理のデザート、アピギギ作りに挑戦し、北マリアナ大学では日本語の授業にお邪魔、その後学生たちと太平洋戦争の記憶に関して意見交換を行うなど。 研修中地元新聞社、テレビ局の取材も受けました。

→Saipan Tribuneの記事を読む (2010年9月9日)

サイパン戦を戦った
マービンさん
日本統治時代について
日本語で語るマニーさん
北マリアナ大学の学生と
太平洋戦争の記憶について語る
松本綾子さん

(5) 2011年

■スケジュール表 →PDFを開く

2011年度はゼミ初の2・3・4年合同研修。しかも参加する上級生は全員2−3回目のサイパン訪問となり、それぞれかなり踏み込んだ関心を持って研修に臨みました。特に、日本統治からアメリカ統治に変わった際の言語教育はどのようなものだったのか、島の人びとはチャモロ語やカロリニア語の伝統をどのように守ったのか、さまざまな世代の人びとに聞いてみました。海軍司令部跡を守るヨネコさんの旦那様バルシナス(Barcinas)氏や、毎年私たちのツア−に同行してくれるピート(Pete Guerrero)氏に戦後の言語教育の様子について話しを聞くことができ、日本語・英語と「公用語」は変わっても、家庭では毅然とチャモロ語を使い続けていたことがわかりました。またチネン・アイス・キャンディ−創設者知念敏則さんに戦後沖縄からサイパンに移住した苦労話をうかがうこともできました。北マリアナ大学との交流会では、いつもながらの温かい歓迎を本当にありがたく思います。今回の研修のハイライトであるDavid Sablan氏へのインタビュ−の全容は、<II 現地聞き取り調査> をご覧下さい。

2008年にス−サイドクリフに植樹した
「コシロの木」大きくなりました。
今年もエスコスおばあちゃんに
会えました。ヤヤも元気。
アイス・キャンディ王、
知念さんを囲んで
ジャングルで見つかった
旧日本兵使用の銃

(6) 2014年度

3年ぶりのサイパン研修です。7期生と8期生の合同参加で、今回の研修はかたちに残る成果を出すという意気込みで、かなりハードな事前学習をこなし研修にのぞみました。目標は「サイパンの魅力を紹介するパンフレット作成」。予備成果は富桜祭での展示『サイパンの未来と日本』で披露しました。
現在パンフレット公開にむけて準備中。しばらくお待ちください。

→サイパン研修アルバム

→富桜祭『サイパンの未来と日本』展示紹介アルバム

(7) 2015年度

2015年8月2日夜サイパンを襲った台風は、過去20年で最大最悪のもので、甚大な被害を全島にもたらしました。道路、水道、電気などのインフラがほぼ全壊状態の島に行くことは、地元の経済を少しでも助けることになるのか、邪魔になるだけか。9期生は、苦渋の決断で研修を中止しました。しかし何か出来ることを、と考えたのが、富桜祭の屋台でサイパンをイメージしたトロピカルジュースを売り、利益をサイパンに寄付することでした。

サイパンに何か「お返し」をしようというアイディアは、3期生時田亮氏のリーダーシップのもとに立ち上がりました。今回9期生の屋台が成功を収めて、ついに「サイパン基金積み立て」総額10万円を達成。前年サイパンを訪れた8期生の意見を汲んで、サイパン阿波踊り会のちびっこたちにクリスマスプレゼントのかたちで小切手を送りました。この間、時田氏をはじめとして4期生から7期生までOB・OGたちの応援の声がゼミ生に届きました。ありがとう。

サイパン阿波踊り会の鎌田美佐子さんによると、ゼミから送った小切手の半分は、ちびっこメンバー全員へのクリスマスギフトに使ったそうです。中身は文房具とゲーム類半々。残りの4分の1の額を、毎月ボランティアで行っている掃除の道具に、残り4分の1を阿波踊りで使うタオルや足袋にあてたそうです。

(8) 2016年度

この年は、ゼミ生のみでサイパンに向かう「自主海外研修」(3泊4日)を行いました。研修のハイライトは、昨年度の寄付と、ゼミ生が継続してサイパン研究を行ってきたことに対し、サイパン市長から感謝状が贈られたことです。大変光栄です。ありがとうございました。

Mayor Apatang, Japanese students exchange stories about history

12 Sep 2016 By Junhan B. Todiño - junhan@mvariety.com - Variety News Staff
SAIPAN Mayor David M. Apatang on Friday exchanged stories with visiting Japanese students about local history.
He gave them a copy of a NMI history book while students presented a draft storybook about their research on the islands’ history.
It was the 10th annual visit of students from Nihon University to conduct research about the history of the NMI during the Japanese administration from 1914 to 1944.
The 10 students from Nihon University were on island for four days to visit historical sites and record their experiences.
During the meeting, Apatang presented a certificate of appreciation to university professor Yukiko Koshiro who helped raise funds for Saipan after Typhoon Soudelor last year.

SAIPAN MAYOR DAVID M. APATANG AND HIS SPECIAL ASSISTANT HENRY HOFSCHNEIDER POSE WITH STUDENTS FROM NIHON UNIVERSITY AND PACIFIC EAGLE ENTERPRISES PRESIDENT WILLIE MATSUMOTO. PHOTO BY JUNHAN B. TODIÑO

Koshiro was not with the visiting group, but Apatang said he deeply appreciates her and Nihon University’s assistance during the typhoon recovery effort.
The mayor’s office also gave each visiting student a bag containing souvenirs and goodies.
Apatang also encouraged students to visit Saipan again with their friends.
Willie Matsumoto, president of Pacific Eagle Enterprises, facilitated the students’ visit. He said the group was not able to visit last year because of Soudelor, but Nihon University will continue sending students every year to learn more about Saipan.
Except for Keisuke Betsuho, all the other students were visiting Saipan for the first time: Miki Ouchi, Chiaki Ikehata, Hitoshi Tomizawa, Takatoshi Imai Shizuoka, Yoh Hirata, SAeko Ando, Takuro Hishyimura, Shota Aoki and Kazuki Takahashi.
They were accompanied by their translator, Pedro Matagolai.

→Mariana Variety紙より転載

→ II. サイパンに関するゼミ研究